清原絵画教室のブログ

神戸で絵画を学ぶ。初心者からプロまで。

2015年02月

説明vsマチエール

生徒さんが絵を描く際によく見かける状況:
これは木である、とか、これは家でこれは窓で、この女性は25歳ぐらいで、という風に「説明」しようとしている。

●説明=物事を分かるように教えること。分からせること。説き明かすこと。
●マチエール=
素材材質によってつくり出される美術効果材質効果
(三省堂 大辞林)

説明には「指示」が含まれているように思う。
マチエールは美術的「効果」である。
美術を学ぶ者はマチエールについて学ばなければならない。
説明に終始するならば、それは美術とは言えないと思う。

清原の結論:
①美術的「効果」とは、何らかの感情を喚起するものであり、それは説明から引き起こされるのではなく、マチエールがそれを引き起こすのだ。
②生徒さんが説明しよう、説明しよう、としているならば、美術を学ぶとは、マチエールを学ぶことなのだという視点を得ていただくべき。


Aphex Twin - Selected Ambient Works 85-92  

作業用におすすめのBGM↓
https://www.youtube.com/watch?v=Xw5AiRVqfqk

装飾のないアンビエントが好きです。








教室展を今週末に控えた火曜日、新長田教室の生徒さんたちと昼食会。

ふだんは午後から鈴蘭台教室のため、一緒に食事することが難しいのですが、今日はゆっくり歓談できました。

神戸大飯店、とてもおいしかったです。

イメージ 1

水彩画のルート案 メソッド1~メソッド13

見学に来られた人に、以下のように説明する。

①教室ではメソッド(メソッド=技術を身につけるための方法。たとえば公文式算数教室は算術を身につけるためのメソッドである)をやりましょう。それと平行して、自由制作を進めてください。自由に描くために、さしあたってできるアドバイスをします。

なぜ自由制作か? 
その理由1:絵とは自由なものである。本来ルールはない。規定から自由になることこそ、芸術の本質的意義の一つである。指令やナビゲーションによらず描くことは大事。
理由2:メソッドに取り組む際に、待ち時間ができる。各段階で必須の講師説明の際に、講師の手が空かないときなど。その間を無駄にしたくないから。

なぜメソッドか?
その理由:経験を通じて、ほぼすべての人の助けになると思われる共通のコツが抽出された。自由に描くことを尊重するあまり、技術習得のないまま放置するのは無責任である。残酷である。
理由2:多様なスタイルすべてにあてはまる抽象度の高いメソッドであるから、各人のスタイルを妨害するものではない。メソッドを深く理解し、使いこなすことこそ、自由への道である。

生徒さんがメソッドにしたがわず、自己流で描きたい場合:
教室から去っていただく。講師清原が自信を持って提供するメソッドであるが、それを受け入れたくない場合は教室に来ないでいただく。生産が発生せず、不健康である。目的と同意、現実性が一致しない集団は弱い。強い集団を目指す。流派といってもよい。ブランドといってもよい。それを明確に標榜するべき。

②メソッド1:徐行描き
メソッド2:水彩画材の基礎知識 扱い方、手入れ、機能と構造、目的、例、どこで入手するか
メソッド3:最低限のフラット着色(三原色による) ティッシュの使用
メソッド4:色遊びのドリル
メソッド5:一発彩色法
メソッド6:デッサンなしで描く
メソッド7:2階建て以上の絵(重ね塗り) 三原色を重ねることなどもとりいれる
メソッド8:各種技法(ウェットオンウェットなど)
メソッド9:さまざまな彩度で描き分ける 高彩度から無彩色まで
メソッド10:不透明水彩の登場 かなりたっぷりの絵具で
メソッド11:不透明水彩の重ね塗り
メソッド12:部分積み上げ方式?
メソッド13:デッサン

なお、心構え的なこと(数を描くことや、遠く離してみること、計画-実行-検証、プロ意識の話など)をどこかで入れる。
基本的には子どもにも同じシステムを適用する。プロとして遇する、社会人が備えているべき徳目は備えているべき、という認識。








技術アイデア 色鉛筆画メソッドいくつか

①大きく描く 今まで4号で描いていたなら8号で描く
②濃く描く 今までの着色の倍、濃く塗る
③三原色で無彩色の絵を描く
④さまざまな画材 従来のカステルに加えて、スタビロ、カランダッシュ、ペリカン、ステッドラー
紙はアルシュ、ファブリアーノの極細など、またはケント、とても目の細い紙を使う。
⑤色つきの紙に描く

従来の①徐行描き、②三原色による灰色、③色遊びのドリル(色編、タッチ編)







↑このページのトップヘ