■07 HK
「須磨への帰還」
「須磨への帰還」
生活に追われて絵が描けない。
描いても、描けた気がしない。
自分で自分を励ましながらも、
出口の見えないトンネル。
描いても、描けた気がしない。
自分で自分を励ましながらも、
出口の見えないトンネル。
そんな時は、
須磨海岸に行けばよい。
須磨海岸に行けばよい。
昔々、日夜を、幾つかの季節を
ここで過ごしたことがある。
穏やかな潮風の匂いを嗅いだり、
灼熱で火傷したり、
嵐に吹き飛ばされたり、
指がかじかんで、
刷毛も持てなかったりしながら。
ここで過ごしたことがある。
穏やかな潮風の匂いを嗅いだり、
灼熱で火傷したり、
嵐に吹き飛ばされたり、
指がかじかんで、
刷毛も持てなかったりしながら。
分厚い地層のように塗り重なった
ペンキの前を、
数えきれない人たちが通り過ぎて行った。
ペンキの前を、
数えきれない人たちが通り過ぎて行った。
JR 須磨駅の改札口を出て南側の
デッキから海岸を見渡すと、
口には出さないけど、
ただいま、と言いたくなる。
デッキから海岸を見渡すと、
口には出さないけど、
ただいま、と言いたくなる。
ここはいわば私のパワースポット
(元気をもらえる場所)なのだ。
(元気をもらえる場所)なのだ。
ビールが飲みたい

25年前、海岸沿いの駅近くに、
H.R.G.というバーがあった。
いつもBob Marley & The Wailersの
アルバム「Live!」が流れていて、
ここでライムつきのコロナビールを覚えた。
…ということを、
小屋を描きながら思い出した。

25年前、海岸沿いの駅近くに、
H.R.G.というバーがあった。
いつもBob Marley & The Wailersの
アルバム「Live!」が流れていて、
ここでライムつきのコロナビールを覚えた。
…ということを、
小屋を描きながら思い出した。
砂が入った

須磨海岸の景色は、
遊歩道が整備されたりして変わって
しまったはずなんだけど、
雰囲気は変わっていない。
自分が進歩していないだけなのかも。

須磨海岸の景色は、
遊歩道が整備されたりして変わって
しまったはずなんだけど、
雰囲気は変わっていない。
自分が進歩していないだけなのかも。
セリフは忘れた

突堤に立つと、
舞台にいるような気がする。
前日に完成した台本を徹夜で覚えて
舞台に出たとたん、
全部飛んでしまう。
目の前の客席は、海。

突堤に立つと、
舞台にいるような気がする。
前日に完成した台本を徹夜で覚えて
舞台に出たとたん、
全部飛んでしまう。
目の前の客席は、海。
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