2019年09月
ZINEへのいざない (生徒むけ)
ZINE(ジン)をご存知ですか?
ZINEとは、少部数印刷、小冊子など、自分が見てもらいたいもの、感動したもの、言いたい事、作った物語などをまとめて束ねたものです。
詩集、絵本、作品集、旅行記、図案集、写真集、歌本、アートブック、同人誌、コミックなど、さまざまな様式があり、これという決まりはありません。枚数も自由です。コピーした用紙2枚をホッチキスで束ねる、ブックカバー、折って2枚重ねだけでも可能です。
そんなZINEを集めた展覧会が下記の通り開かれますが、清原絵画教室の生徒であれば出品できます。
ZINEを作って展覧会に出しませんか?
教室で「絵本を作ってみたい」、「作品ファイルを作ってみたい」という声がちらほら聞こえます。
しかし、そのような思いを描いても、何をどうやっていいのか分からず、手をつけられないまま時が過ぎた、なんていう人も多いと思います。これを機に、それを形にしてみませんか?
展覧会名:go go ZINE days vol.1 (ジンと手製本のブックカフェギャラリーのような作品展)
会期: 令和元年11月1日(金)~6日(水) 11:00~18:00(最終日16:00)
場所: 南天荘画廊http://nantensogaro.com/
↓フェイスブック(出品作家を紹介しています)
https://www.facebook.com/pages/category/Art/Go-go-ZINE-days-%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A4%E3%82%BA-109803017024819/
■出品料:今回は無料です。
↓私の手元にあるもので、ZINEになりそうなものを集めてみました。参考になればいいのですが。
1.しまうまプリント(オンライン写真印刷工房)で作ったフォトブック↓
1999~2006の油彩作品を選抜して掲載しました。
1冊24ページ、A5スクエアサイズ、約300円で作りました。
↓しまうまプリント・フォトブックのページ
https://www.n-pri.jp/photobook
↓作り方のページ
https://www.n-pri.jp/photobook/howto
この手順に沿って編集し、注文すれば早ければ翌日に着きます。
2.小型のアイデアスケッチ帳↓
ポストカード集を作ろうとした時のものです。
3.1999年頃の作品を集めたポートフォリオの縮小コピー
4.↓画文集(左)とオルゴールムーブメントを内蔵したアートブック(右)
5.紙を2枚重ねただけのものもあります。↓
6.kinko’sのカラーコピー↓
kinko’s三宮店↓
https://www.kinkos.co.jp/store/kb001.html
■次に、ざくっと参加要項を記します。
・見本(会場真ん中のテーブルに置く)+販売する商品=最低計2冊は必要
・40名ほどの人に参加を呼びかけ、約20名が参加表明している(9/21現在)
・10月に入ったら受付け開始。
・作品を預ける期限:10月29日(30、31日に飾り付け)
南天荘画廊に郵送または持っていく。「go go ZINE分」と表記すること。
納品書が必要
納品書内容:名前、作品名、販売価格(税込・税別明記)、納品数、サンプルの有無
作品紹介をしたいので早めに送ってもらえるとありがたい、とのこと。
★本だけでなく、作品も受け付ける1500縦×600横の壁面か600×300の棚の上に置けるもの。その場合も納品書必要。
必ず値段をつけること 売り上げの30%を画廊に
・メールで申し込む そのアドレス
プロフィール(肩書き)、名前(ネットなど告知に掲載される)、作品の写真
フェイスブックのページで掲載されている
https://www.facebook.com/pages/category/Art/Go-go-ZINE-days-%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A4%E3%82%BA-109803017024819/
■また会期中、主催者の松本さんが毎日、一日中ずっと、会場にいて、毎日、「折り本」のワークショップ開催します。
真ん中にテーブルがあり、そこで行います。
↓折り本
ワークショップに参加すれば、ジンの一つの作り方がマスターできますね。
内容(ネタ)を用意しているそうです。
「それぞれの宮沢賢治」より、言葉をカットして置いておく、そうです。
■11/1(金)14:00 語り部ライブあり。
■搬出 11/6(水)16:00会場に取りに行くか着払い郵送
興味のある生徒は主宰・講師の清原までお尋ねください。
kiyohaaart@gmail.com
090-6587-3695
/主宰 清原健彦
令和元年9月20日 日の峰教室講座風景
令和元年9月19日日の峰・元町教室 講座風景
1.日の峰教室午前、午後。
↓専攻科生Mの屋外写生。この日は本科講座に合流して当教室のメソッド「ギアチェンジ第2段階屋外編」に取り組みました。
↑オブジェクト(対象)を捕獲しようとする構えが、闘牛士か武芸者のように見えます。
不思議な絵だとお感じになるかもしれませんが、最初から最後まで紙を見ないで、対象物だけを観察しながら描く画法であるため、このような画風になっています。Mは、風や陽光を全身に浴び、五感で世界を感得しながら描く時間が、心地よかったとの感想を述べていました。戸外写生の心地よい季節になりました。
↓本科生Tによる「ギアチェンジ第3段階静物編」
秒速2㎝で、対象物だけを見ながら描き、ペンを止めた時だけ紙を見ます。ギアチェンジ第2段階(上述の屋外写生をご参照ください)で、紙を見ずに手を動かす訓練を経て、この第3段階で具象的な写生に戻って来ます。
↓そのモチーフ
↓本科生Nのデッサン。すべての生徒が最初に取り組む実技プログラム「徐行描き」による。金槌の量感にご注目ください。
2.元町夜間教室
↓入門科生Mの「ギアチェンジ第3段階静物編」。その時間は瞑想のようでした、との感想でした。
↓そのKの、「徐行描き・グランドツアー(やや大きめの紙を徐行描きで描いた静物で埋め尽くす)」
この日はメンズデーとなりました。当教室では女性の割合が多いのですが、予約の加減でまれにこういう日があります。
/主宰 清原健彦
秋山アキヲのブランクギャラリー戦記
専攻科秋山アキヲのグループ展レポートをご紹介します。
「初心者であった者が美術家として生きる」、そのアートライフの一端を感じていただければ、そして、絵画教室の門下に入る多くの人が、自らの物語として、希望を思い描いていただければ幸甚です。
(前号ブログ記事→専攻科秋山アキヲ、東京原宿でグループ展に参加)
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秋山アキヲのブランクギャラリー戦記
専攻科004 秋山アキヲ
令和元年、東京THE blank GALLERY にてグループ展に出展した経緯、感想、学びを同じ志を持つアーティストの皆様のため、また自分自身の備忘録としてここに記します。
僕はここ一年ほどリュック タイマンスに憧れ、彼の作品に近づこうとして絵を描いており、出来た作品をインスタグラムに投稿していました。そんな中、清原先生との雑談の中で「アカデミズムの王道たるバロック絵画界のスター、ニコラ プッサン」と「アート界の中ではサブカルチャーの漫画のなかでも更に傍流のつげ義春」を組み合わせてみたら面白いかもという話が出ました。
その「つげプッサン」を試作品を経て油彩で描いてみたところ、見たことのないヘンテコリンな魅力ある作品が生まれました。
これはイケる!と手ごたえを感じ、またインスタグラムに投稿したところインスタグラムの直接のメッセージでTHE blank GALLERY のギャラリストさんからグループ展のお誘いを頂きました。ペインティングをしている無名の新人10人程度でグループ展をしたいとのことでした。
最初は新手の詐欺かとも疑ったのですが、どうもそうでもないようでしたので喜んで参加の旨お伝えしました。
新人ですけど中年のオッサンですよと一言申し添えることも忘れませんでした。
それからは展覧会まで6週間程度しかなく つげプッサンをひたすら描き続けました。もちろん過去の作品を出展することも出来たのですが、それではありがちな、インスタグラムでも腐るほどあるリュック タイマンスの100番煎じにしかなりません。せっかく東京まで行って多くの人に見てもらうなら拙くとも荒削りであろうとも つげプッサンで行こうと決めました。
結果つげプッサンが6枚出来ました。頭の中のアイデアを全て盛り込んだので6枚とも作風が違い、全てが実験作ですが、それらを全て展示することにしました。この限られた期間内に多数仕上げるということでいろいろなことが学べました。
思いついたことをとりあえず形にして完成と呼べる状態にもって行くこと。
油彩の乾燥状態を管理、把握してスケジュールを組むこと。(暑い車内に放置して乾かしたりしました。絵具の劣化の恐れがあるのでオススメはしません)
出来れば少しずつ描き上げ絵と対話しつつ完成にもっていければ一番いいのですが、時間がなくそれはできませんでした。結局完成した絵を見て次の絵のプランを立てるという状態でした。
(本来は1枚仕上げる間にPlan Do See を繰り返すべきところを1枚につきPlan Do See 1サイクル)
まあそれでも何とか6枚が出来上がりました。
展示に関してですが教室展のときから「設えは超大事!」という教えを受けていましたのでかなり気を遣いました。
搬入時グループ展の他の作家さんのうち何人かは数分で位置決めし、釘打ち、設置してささっと出て行きました。恐らく絵は自分の為に描くもの、という意識しかなく絵を観てもらう(買ってもらう)という意識が希薄なのではないかと感じました。
例えば車のディーラーで車をディスプレイする、食器屋でティーセットを陳列するという場合かなり気を使うはずです。見せ方の巧拙が売り上げに直結するからです。
絵の場合で仮に同サイズで同じ縦向きの絵が5枚あったとします。これを横一列に等間隔に並べるとして並べ方は5x4x3x2x1=120パターンあります。これがサイズがバラバラ、縦横の向きもバラバラ、一列で収まらないので二段または三段組みとなるとほぼ無限の組み方のパターンが考えられます。
その中でも最適解(に近いと思われるもの)を探す作業が数分で終わる筈はありません。いくら予めプランニングしていても会場の広さ、高さ、ライティングも考慮して配置されるべきである筈です。
今回僕は清原先生に仮設置状態からLineで写真を送り適宜アドバイスをもらいつつ設置しました。アドバイスをもらう安心感はあれど最終的に判断を下すのは自分ですし、限られた設置時間の中での作業はなかなか緊張感がありました。
あと今回東京行きが決まってから「現代絵画の再生」の著者、柿栖恒昭先生に著作の感想と展覧会へのお誘いを手紙に書いて送ったところ実際に展覧会に来ていただき、清原先生を交え直接お話しさせてもらいました。いろいろ新しい創作のヒントをいただいたように思いますので今後にいかしたいです。
それと今、東京で個展中の吉村宗浩先生とも今度会食を予定しています。いろいろな人脈が拡がって清原絵画教室と結びつけば嬉しいです。
そんなわけで清原先生のお力を借りつつ、何とか制作、展示できました。今回、絵が売れれば嬉しいですが、それは主たる目的ではなく人脈を広げること、他のアーティストの振舞いを見て学びを得ることを目標にして行ってきました。
今回学んだことを自分の、そして同じ船のクルーの創作に役立てばと思います。
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以上、秋山本人によるレポートでした。
簡潔明瞭な考察、頭の良さを感じます (ちなみに京大医学部卒の、現役の医者です)。
およそ1年前にプロ養成を目標に掲げる専攻科に移籍したころから、急に絵がプロっぽくなり、インスタグラムを通してギャラリーとの関係を獲得し、展覧会開催の切符を得ました。当教室は「アーティストになろう、アーティストでいよう」を標語にしていますが、まさに秋山はそれを実践しました。専攻科に入ることでその自覚を持ち(存在性)、その結果行動が美術家のそれになり、描く絵が変化しはじめ(行動性)、ギャラリー主催の展覧会に招かれ、人脈を広げ、美術批評家と対談するという状態(所有性)を得ました。その成功を讃えます。
/主宰 清原健彦