不肖清原健彦、「ありがとうマイタウン」と題した個展を開きます。

於:北神急行(神戸電鉄)谷上駅ドームギャラリー
とき:2016年3月21日(月)~3月27日(日)
7:00~20:00
会期中無休

昭和60年に創刊し、31年の長きにわたって北区の情報媒体であり続けたミニコミニュース「マイタウン」が3月25日発行号をもって休刊します。

本展はマイタウン2006年5月25日発行6月号(no.261)から1回目が始まり、3年36回連載された「スケッチ通信」の原画展です。原画と文をわたくしが仰せつかりました。

地域の文化を支え続けてきた偉業を讃え、お世話になった感謝をこめてこの展覧会を開催するものです。

その意志を受け継ぎ、北区の魅力を少しでも提示できればさいわいです。

以下、全36作品をご紹介いたします。
■1年目
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↑1 ゴルフ練習場(筑紫が丘) 2006.5.25発行
その道は山にむかってまっすぐにのび、唐突にぶつっと終わる。そこから先は草木の生い茂る谷だ。谷を背に描く。ここは町と自然の境界。球を打つ音だけがいつまでも聞こえる。

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↑2 山の街 駅前 2006.6.25発行
ここから見下ろす山の街駅は人影もまばらで、時折十代の少年少女の声が響くだけだ。風のない日曜の午後。やがて太陽は移動し、影のむきがだいぶ変わった。

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↑3 桂木小学校からの眺め 2006.7.25発行
ここは面白い構図だ。下の方では道の交差と並木のリズムが音楽的構成をなしているのに対して、上の方では山の稜線が下のドラマを受け止めている。セザンヌが脳裏をよぎった。

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↑4 しあわせの村 馬事公苑 2006.8.25発行
大きな並木が陽を浴びて濃い陰影を見せている。梅雨の頃は淡く霞んでいた景色も、今日は陽光に揺れている。2006年夏。正午。緑が輝く。影が揺れる。

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↑5 六條八幡神社 2006.9.25発行
大木のそびえる境内はいつもひっそりとしていて派手さとは無縁でありながら、爽やかで明るく風格と気品がある。帰るべき場所という感じなのだ。

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↑6 鈴蘭台ダイエー裏 2006.10.25発行
山の斜面に立ち並ぶ家々の姿、軌道を進むカタンカタンという音、緑の濃さ。ここには昭和の佇まいがある。幼少の考えが少しだけ甦った。

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↑7 桜ノ宮市営住宅 2006.11.25発行
秋の午後。神鉄北鈴蘭台駅から歩いて5分。空は高く、影が長くのびて、遠くの車が光を浴びて一瞬光ったかと思うとすぐまたもとの静寂に戻った。

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↑8 杉尾神社(北五葉) 2006.12.25発行
小さな社である。だがそれ故に正面の鳥居あたりから見ると屋根の形が美しく、コンパクトだ。このスケッチを書き終えた直後お正月の準備作業が始まった。

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↑9 泉台小学校 3階からの眺め 2007.1.25発行 
明石海峡が白く光っている。そのむこうには、淡路島の山並みがはるかに連なっている。放課後の教室で、こうして一人で絵を描いていると、過去にすいこまれそうな気がした。

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↑10 小部峠 2007.2.25発行
坂を見下ろすと、車がはるかに小さく点になって見える。坂の距離が、異様に長く感じられた。登ってきた多くの車はここで一息つき、今度は長い降下を始めるのだ。

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↑11 教習所と市営山の街住宅 2007.3.25発行
今日は風がふいている。風にのってゆっくりと横に移動する雲の塊と、団地の塊が連続した連なりに見えた。今日のような明るい冬の空が私は好きだ。

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↑12 日の峰の緑道 2007.4.25発行
のどかだ。空気が柔らかく、緑道ぞいの桜の花は満開、薄緑の若葉も風に揺れてちらちら光り、ぶかぶかの制服を着た学生が通り過ぎて行った。

(2年目・3年目、次の記事につづく)